SUSFiberのフィルタがSUS粉体フィルタより優れた機能を持っている理由
1の電子顕微鏡写真は、従来のSUS粉体を用いて作られた焼結フィルタ-で10μmのフィルタの粒度分布を 示した写真です。粉体粒度の分布にバラツキがあり、この結果細孔のバラツキが大きくなり分布にシャープさが ありません。またフイルタの空隙率が小さいためポアサイズの小さいフイルタではフイルタの目詰まりが早くなります。 強度を保持するためには、互いの粒子が接点接合のためにフィルタ厚さを大きく取らないと壊れ易くなり、 通常1-2mmです。この結果、体積の微小化ができず、デットボリュームも大きくなる。ろ過精度は1-2μmが 限界となります。
2の電子顕微鏡写真は、極細のSUS繊維を用いて作られたSUSペパ状の素材の焼結フィルタの線径分布状態を
示す写真です。写真は直径1μmの極めて細いSUSFiberで作られたフィルタの例を示す。
Fiber径が均一な1μmなのでポアサイズが均一となり、ポアサイズを小さくすることが可能となり、
空隙率も大きいので流動抵抗が小さく目つ”まりも遅く、フィルタの寿命が長い、またFiberで作られるため、
柔軟性に冨み折り曲げ加工も可能です。またFilberが多点接合のために表面処理が可能となり、下図に示す
Auメッキ処理などにによりフィルタの改質ができる。これらの利点により、精密ろ過精度が0.1μmまでの
フィルターを作ることができ、精密ろ過用としては最適なフィルターです。
3の電子顕微鏡写真は、SUSFiberで作られたフィルタの素材の表面にAu(金)メッキ処理を施したAuメッキ処理
フィルタエレメントの表面を示した写真です。
Fiber径1μmの上に、Au(金)メッキ処理することにより、ポアサイズを0.1μmまで小さくすることが可能となり、
フィルタの改質が可能となります。Au(金)メッキ処理後も空隙率が大きく、流動抵抗の小さいフィルターの製作が
可能となります。
Auメッキ処理後の極小ポアサイズの流動抵抗が小さい理由
この電子顕微鏡写真は、フィルター厚さ50μmのSUSFiberフィルターの素材の表面にAuメッキ(深さ0.5μ)の メッキ処理を両面(表・裏)に施した時の様子をメッキ処理前の平面(A)とメッキ処理後の断面(B)の写真です。 写真が示すように、50μmのSUSFiberフィルター素材の表面上にAuメッキ処理をした場合、中間層は SUSFiberフィルタ素材のままとなります。
SUSFiberフィルタの表面はAuメッキ処理により、表面が細孔に縮められます。中間層の厚さ40μm (50μm-0.5μm×2)の間のポアサイズは大きく作ることが可能のため、流動抵抗が小さすることができ、 精度の高い、ろ過効率の上でも考慮した精密ろ過フィルタとなります。
SUSFiberフィルターのエレメントのサイズと形状
SUSFiberフィルタの素材のサイズは図に示す大きさが基準となります。
標準サイズは、円の場合はΦ11mm、Φ13mm、Φ25mmです。
尚、円及び角(正方形、長方形)のご要望のサイズが円・Φ250mm以下、角・300mm以下の場合はお問合せ下さい。
SUSFiberFilterのろ過精度の分析データ
上記のデータは、潤滑性の多糖類のPullulan水溶液(分子量1586000)をGPC(ガスクロマト)で分析した時の
SUSFiberFilterと市販のメンブレンfilterにて光散乱検出器により分析比較したデータです。市販の
メンブレンfilterの使用ではピークが拡散して広くなり、かつ溶出位置が遅れています。
これはフィルターとフィルターホルダ-のデットボリュームが大きいため、ピークが拡散し溶出が
遅れていることを示します。
開発したSUSFiberfilterの場合、pullulanの理論段数の低下、溶出時間の遅れはなく、このデータ分析が示すように、
カラム充填剤から溶出してくる0.1μm前後の粒子カットは、フィルターがないと光散乱検出器のべースラインの
ノイズの原因(図に示すギザギザの部分)となります。SUSFiberfilterを使用して分析した結果、ノイズが消え
ピークの位置のズレもほとんどない。SUSFiberfilterは、優れた特徴である微小な粒子カット、流動抵抗が小さく、
フィルタ厚の薄さによるデットボリュームが小さいという高機能により、精度の高い精密ろを可能とした
フィルタであることを示します。
新素材の開発、微量の分析分野などで、より高度な「ろ過精度」の要求に対して、高精度・高機能の精密ろ過
フィルタとして期待されます。
SUSFiberfilterの弊社ATポンプに使用している例
流体(液・ガス)のろ過の目的は、それぞれの使用目的である流体が必要とする品質と抵抗のない流れの円滑を 保持するために、流体自体に含まれる粒子のコントロールし最適な流体の条件を維持することにあり、 この目的達成のため多種類のフィルターが生まれ、特定できないほど多くの分野にて使用されている。 弊社のSUSFiberfilterは、流体自体が持つ条件を確保するために欠かすことのできない、「微小の粒子カット」 「流動抵抗を小さく」「デットボリュームが小さい」という条件を満たすことが可能となった精密ろ過用の フィルターです。SUSFiberfilterが流体が液の場合の使用されている例を以下に示します。
溶媒フィルター
ポンプで精密送液する場合を例に上げると、精密送液の液の条件で重要な因子である液中の微小の粒子のカットが あります。精密送液の場合の一般的に使用される原液に含まれる粒子のサイズは0.4μmを基準となっています。 この原液を右図に示す試薬ボトルに入れて送液しますが、試薬ボトル内に入れた原液は、外部から入るごみの粒子の 影響が生じ、この時に微小の粒子カット(10μm)がカットが要求される。(10μm以下は吸引抵抗が大きくなり 使用しません。)溶媒フィルタはこの粒子カットをするためにポンプに用いられることは良く知られています。 溶媒フィルター内のエレメントにSUSFiberfilterが使用されています。
Φ47mmフィルター
ポンプで精密送液する場合、原液(例えば0.4μmでない液)の粒子カットする場合、ポンプの吸入前では カットサイズが小さいため、吸引抵抗が大きく吸引できません。このため右図に示す流量の多い場合に用いる Φ47mmフィルターを使用し、加圧容器にて圧力を加えて粒子カット(ろ過)をする。このΦ47mmフィルタの 内部に微小の粒子をカットするために、SUSFiberfilterが使用されています。
Fiberfilter製品のご案内
溶媒フィルタ | 型式 | カットサイズ(μm) | 材質 | 用途(溶媒) |
SVp-10-10-2 | 10 | PTFE | 無機 | |
SVp-10-5-2 | 10 | PTFE | 無機 | |
形状寸法:W:15mm,L:35mm,t:1.5mm,チューブ長さ(高さ)H:30mmチューブ径Φ2mm | ||||
SVc-IO-500 | 10 | ホルダー外径:Φ15mm フィルター径:Φ11mm |
無機 | |
SVp-10-5-2 | 10 | PTFE | 無機 | |
試薬ボトル500ml、3000ml用のカートリッジタイプを用意しております |
Inlineフィルタ | 型式 | メイン エレメント |
サブ エレメント |
耐圧 |
用途 |
0.1、0.2、0.4、0.8、1.5、310 | 3、5、10、20、40 | 35 | 無機 | ||
MF-IO-1/16-1 | 5、10、20、30、40、50、100 | 200 | 1 | 無機 | |
MF-O-1/8-35 | 0.1、0.2、0.4、0.8、1.5、310 | 3、5、10、20、40 | 35 | 有機 | |
MF-IO-1/8-1 | 5、10、20、30、40、50、100 | 200 | 1 | 有機 |
Φ47mmフィルター | 型式 | メインエレメント カットサイズ(μm) |
サブエレメント |
シール 材質 |
用途 |
0.1、0.2、0.4、0.8、1.53、10 | 3、5、10、20、40 | 有機 | |||
0.1、0.2、0.4、0.8、1.53、10 | 3、5、10、20、40 | パーフロ | 有機 | ||
試薬ボトル500ml、3000ml用のカートリッジタイプを用意しております |
SUSFilter及びAu,Agメッキエレメントのご案内
SUS Fiber エレメント |
Agメッキ Filter エレメント |
Agメッキ Fiber エレメント |